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2005年12月30日
輝け!2005年クリスマスケーキを丸ごと食べる大会
さあ、昨年に引き続き恒例となりました「クリスマスケーキをホールで買ってひとりで食べる大会」、今年のエントリーはこちら!

ユーハイム[juchheim.co.jp]のバウムクーヘントゥルム(450g・税込2100円)であります。
「子どもの頃は無理だった無茶をする」のが基本コンセプトのこの大会、昨年はイチゴのショートケーキを制覇したワケですが、今年はどうしたものかとけっこう悩みました。「バケツでカスタードプリン」というのも夢のひとつではあるんですが、実現方法がわからないので延期。
その代わりに候補に挙がったのがこのバウムクーヘン。一切れ食べるにも、外側から年輪一年分ずつはがして食べるくらいだった高級洋菓子を、まるごと縦方向に喰ってやろうという。
一方カミさんは「羊羹一本まるごと食べたい」と主張。
「それは無理だ、おやめなさい」私は思いとどまらせようとしたが、彼女は聞く耳を持たなかった。「大丈夫、羊羹なら行ける」

赤坂・塩野の塩羊羹(ひと竿・税込3000円)。「羊羹を薄く切る」ことがケチの形容でよく使われますが、それなら「切らずに食べる」のはいちばん気前のいいことの形容になるんじゃないかしらん?

クリスマスパッケージなのでこんな飾りが付いています。24日にデパ地下に買いに行ったんですが、大混雑の他のお店とは異なり、ユーハイムは比較的すいてましたね。

さようなら2005。

取り出すと、お皿に載らないこの長さ。316mmです。

一方こちらは羊羹の丸ごと。包み紙部分を持ってかぶりつくというワイルドな趣向。

それではスタート。縦に喰ってやりましたよ。

羊羹はいい歯形つきますねえ。
しかし案の定、30分もたたないうちに羊羹チームが一時脱落。
羊羹だけではないですが、和菓子というのは砂糖の使用量が多くて、同じカロリーでも糖分の占める割合が多いのです。言い換えると洋菓子はバターやクリームの使用量が多くて、軽く食べられる割にカロリーが高いということでもあるのですが。
で、「羊羹は無理」というのは、糖分の多い羊羹だと、早く血糖値が上がってしまい、胃の容積的に許容範囲でも、その前に満腹中枢が満足してしまって、完食できない可能性が高い、という計算なのです。
バウムクーヘン班は順調に消費していきます。

おーい。
しかし、開始時間が夕刻だったため(昨年は昼ごろからだった)、なかなか最後の一押しが効かず、バウムクーヘン班も途中棄権。

この時点で羊羹チームはこんな感じ(私もすこし分けてもらったので、全部カミさんが食べたわけではありません)

ということで、今年は2者ともに途中棄権。翌日以降にゆっくりいただくことにしました。来年は開始時間をもっと早めにして臨みたいと思います。
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2005年12月29日
板倉セミナーに参加してみた
板倉雄一郎さんという方がいらっしゃいます。個人的には『社長失格』[amazon.co.jp]の板倉さんであり、無料プロバイダーの先駆け、ハイパーネットの板倉さんだったのです。
今年の初めのライブドアvsニッポン放送の騒ぎの時、私は広報の立場から、もしくはラジオ好きの立場からいろいろ書きましたが、板倉さんは「会社とは何か」「企業価値とは何か」という視点から、ご自身のサイト[yuichiro-itakura.com]で発言をされていて(いや、その騒ぎのずっと前からこのテーマについて書き続けられていたんですが)、非常に興味深く読んでいたわけです。
ただ、ブログを読んでいてROIC(投下資本利益率)とかWACC(加重平均資本コスト)なんていう言葉とか、いろんな数式が出てきても、そのまま読み流しているだけなので何のことやらわからなかったので、1泊2日で21万円(!)のセミナーに行ってきました。
最初は21万という数字を見て、これは企業から派遣される人のためのものだろうと、つまり人に言われて勉強しに行く類のものと思っていたのです。が、8月に行われた半日のオープンセミナーに行って、直接板倉さんの話を聞くと、これがものすごく面白い。
自分のセンサーが開きっぱなしになるというか、話に集中してどんどん引き込まれるという感覚ってありますよね。以前楽天の取締役の方のプレゼンを聞いた時とか、盲導犬訓練士の多和田悟さんにインタビューさせてもらった時など、個人的には年に1度あるかどうかの体験なんですが、板倉さんの話を聞いた時もこの感覚があったんです。
セミナーの内容については板倉さんのサイトを見ていただければよいかと思うのですが、要はブログの内容と同じことです。同じなんですが、それを文字で見ているだけの時と、自分でエクセルを計算機として使って、実際の企業を題材に、受講者同士でああでもないこうでもないと話し合いながら勉強をするのでは、まったく違うのです。
しかも過去の受講者の方の話を聞くと、1回目にただ手順を追っていくだけの時と、再受講(このセミナーは再受講ができるのです)では理解度がまったく違うとか。私はまだ1回目の人なので、あまり内容そのものについては語りませんが、板倉さん本人と直接話をすることの効果は声を大にして強調しておきたい。
また合宿ってのがいいんですよ。夜、セミナー会場のホテルで飲みながら深夜近くまでしゃべることで、講師とも受講者とも距離が近くなって仲間意識が出てきて、継続的に学んでいこうという勢いがつきます。『道具としてのファイナンス』[amazon.co.jp]の著者の石野雄一さんもいらしていて、いろいろと濃いお話を聞かせていただきました。教育の価値ってなかなか金額換算しにくいですけれど、21万は(学ぶ気のある人には)たぶん安いだろうと思います。
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2005年12月17日
airdrop「drops vol.2 〜X'mas sofa〜」@渋谷 7th Floor
この一週間、SOLAS@すみだトリフォニーホール、SOLAS@恵比寿イニシュモア、SOLAS@新宿ダブリナーズと、NY出身のアイリッシュバンド・SOLASに偏ってライブ漬けになっているわたくしmoriyなワケですが、今日(16日)行ってきたのは渋谷の7th Floor。バンドの色合いもがらっと変わって、のんびりおだやかなairdrop。
円山町のホテル街のど真ん中に、こんなアットホームな空間があってよいものかというくらい手作りな雰囲気のフロア。壁には飾り付けがしてあって、ステージ脇にはクリスマスツリー。
スペルが・・・なのもまた手作り感覚ということで。
入り口の黒板。
「手づくりプレゼント」はフェルトのコースター。かわいいでしょ。
このairdrop(エアドロップ)というユニットのことは、春風亭昇太師匠のオールナイトニッポン[allnightnippon.com]で知ったのです。ラジオから流れる『ラブレター』という歌(『Drops』[amazon.co.jp]に収録されてます)がすごく良くて、耳から離れなくて、アルバムを買ったら他の曲も良くって、すっかり魅了されてしまったのです。
昇太師匠がこの『ラブレター』を評して「結婚したくなる歌」とおっしゃってましたが、まさに言い得て妙。わたしはもう結婚してますけれど、そんな私にも「ふたりでいることがいいなと思える曲」です。
その歌をライブで聴けただけで充分満足です。大枝さんのボーカルも荒木さんのピアノも最高。次回は3月のクアトロだとか。チケットが手に入りやすいうちに観ておいた方がいいですよ。
あ、前座のきたはらいくさんの歌った、故・高田渡さんの『火吹竹』、けっこうでした。
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2005年12月12日
DMC-FX9買いました
ホント、ギリギリまで悩んだんですよ。量販店の近くを通るたびにさわってみたりして。候補として考えていたのは、以前から言ってるリコーの「GR Digital」、「Caplio R3」[ricoh.co.jp]、パナソニックの「DMC-LX1」と「DMC-FX9」[panasonic.jp]、この4機種。これだけのものを同列に比較する人も珍しいと思いますけど、私の中では同じ「おさんぽデジカメ」カテゴリなんですよ。ふだん持ち歩いて、何か見つけた時にさっと出してシャッターを切る、ライフスライスとしてのカメラ。デジタル一眼は別に持っているので、ここは日常性、メモとしての性能を重視したい。
その「持ち歩くもの」という視点で見た印象はこんな感じ。
- GR Digital:28mmF2.4のレンズ。手ぶれ補正なし。手触り最高。手になじむサイズと仕上げがいい。ボタンとダイヤルのデザインがちょっと安っぽいですけどね。アマゾンで実質67,800円(税・送料込)。
- Caplio R3:ボディに傾斜付けたりして工夫しているものの、持ちやすくはない。軽くてちょっとスカスカな感じ(レンズカバーが弱いという話もある)。電源入れてからのレスポンスの速さや、手ぶれ補正機能付き28〜300mmの7倍ズームってのはすごいけど、そんなズーム使わないかなあ、と。手ブレ補正機能とズームに力を入れすぎて、持ち歩き性能は犠牲になっているのでは。アマゾンで実質36,300円。
- LX1:手ぶれ補正機能付きで28mmからの広角。以前も指摘しましたが、薄いのはボディだけで、レンズが飛び出している分、全体ではけっこう大きい。アマゾンで実質50,800円。
- FX9:ポケットにも入る小ささ。手ブレ補正機能つき。レンズは35mm〜。色つきのモデルは表面の摩擦が大きくて、意外としっくりくる。アマゾンで実質40,300円。
まずR3がその仕上げの安っぽさ(コストパフォーマンス比を上げようとしてるのはわかるんですが)で脱落。
続いてLX1は、これ買うならGR買うかなあ、という感じ。わかります? あのアスペクト比をレンズ側面で切り替えるというデザインが好きになれないんです。でかいレンズと機能の豊富さ、そして名目上の薄さを強調した感じが、カメラとしてのこだわりじゃなくて、家電メーカーのこだわりになっているというか。GRなんかレンズ縁やカメラ前面の白い文字を黒く塗りつぶすサービスがあるんですよ。思想の違いですよね。
ということで、最低価格のFX9と最高価格のGR-Dの比較になったわけですが、さんざん悩んだあげく、FX9にしました。といってGRが気に入らないわけではなく、もしかしたらなにかのきっかけでGRを買うかも知れません。
実家の母親と友人T氏がFX9ユーザーで、旅行写真を見せてもらったんですよ。これがけっこういいんですね。話を聞くと、無造作に撮ってもそれなりに写るという意味で二人ともかなり満足している風でした。それが最後の決め手だったかも。「家電的」という形容はFXにも当てはまるんですけど、安いから許せる。その差額で一眼用に広角のいいレンズを探す、というのもアリですし。
ちなみにこれが、4年前の高級コンパクトCanon S30。
小さくなったなあ。
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2005年12月11日
三ツ矢ならぬ、三菱サイダー
2005年12月09日
イメージコンサルティングを受けてみた(自分に合う色とは)
宣伝会議が昨年から出している『PRIR』(プリール)[sendenkaigi.com]という広報専門誌があるのです。会社に頼んで毎月購読してるんですが、他の業界の広報スタイルを垣間見ることができて、なかなかに興味深い。もちろん商品・サービスが違うので日産やトヨタの手法をそのまま真似するわけにはいかないのですけれど。
その『PRIR』に創刊号から寄稿されている、イメージコンサルタントの日野江都子さんという方がいらっしゃいます。イメージコンサルタントというのは、企業のお偉いさんなど、人前に出る職業の人に、着る服や動作などについてアドバイスする人です。たとえば、新製品の記者発表会に主催者側代表として出席する、といった場合に、その人の年齢・性別・役職・立場・キャラクター・肌や髪の毛、瞳の色などを考慮して、「ジャケットはこれ、シャツはこれ、ネクタイはこの色、ベルトと靴はこれこれ、あと座る時はこういう姿勢でいると好印象です」というようなことをいってくれるわけです。
私も「色彩検定2級」[aft.or.jp]なんてのを持っていて(以前1級はたしかアパレルでの実務経験が必要だったのであきらめた)、基本的な色の理論に関しては知っているつもりなのですが、ある色が「どういう色か」はわかっても、それが「その人に合うか」という話になるとまったくお手上げで、自分で服を選ぶにも、なんとなくの好き嫌いでしか考えていなかったわけです。
で、その『PRIR』の中で、日野さんが国内外のCEOの資料用写真(株主向けのアニュアルレポートとかに載せるやつ)とか、広報担当者の服装に対して、これはここがいいとか、ここがよくないとかをコメントするコーナーがあります。これが面白い。どこぞのファッション評論家のセレブ批評とは正反対で、しっかりした理論と、納得できるコメント力がある。ただの悪口じゃなくて「プロの批評」になっているんです。
で、日野さんがずーっと気になっていたので、先日ご本人に会ってコンサル受けてきました。2時間弱くらいで55,000円だったかな。さあ、これをコストと見るか投資と見るか? (私の受けたコースではない、テーマを絞ったちょっと安いコースができたみたいです。詳しくは日野さんのWebサイト[thelookbest.com]参照)
事前に調査票が送られてきて、たとえば「これから就職なのでまずは面接写真で好印象を与えたい」とか「記者会見があるのでアドバイスを」などの具体的な目的と、ふだん自分がどういう服を選んでいるかという好みの話を聞かれます。
当日青山の事務所にお伺いして、マンツーマンでのコンサルティング開始。びっくりしたのが、日野さんが、相対して座った瞬間「森さんは細身でいらっしゃっいますよね・・・そのワイシャツはオーダーですか?」と聞かれたこと。某ブランドのパターンオーダーで作ったスーツと深野羅紗店で作ったシャツを着ていったんですが、見る人が見ると、シワの入り方の違いで「この人のスーツは少し大きくて、ワキの部分が余ってシワになっているが、シャツにはシワが出ていない。よってシャツは体に合わせてオーダーしたに違いない」と一発でわかるようです。
問診(?)のなかで「まわりからどういう人だって言われます?」という質問をされたんですが、なかなかふだんから「私ってどういう人?」って聞いて回っているわけではないので「うーん・・・」と考え込む私。「服装について何か言われたこととか?」それもあんまり思いつかない・・・。
おおまかに自分の肌の色の傾向を見る方法として、金色と銀色の布に手を置いてみる、というのをやりました。肌の色自体はもちろん変わらないわけですが、まわりの色を変えることで、どちらか一方がもう一方より肌がキレイに見えるんですよ。
続いて鏡の前で、いろんな色の布を肩から胸にかけて当ててみて、肌や目、髪の毛の色とのバランスを見ます。これも不思議なくらい顔色に影響するんですよ。私の場合、青や緑は基本的に似合う色なんですが、あまり反射の強い(鮮やかな)ものだと、青や緑の光の反射がアゴに当たって、ヒゲが濃くみえてしまう。
黄色はダメでしたね。純粋な黄色だけではなく、たとえば赤いネクタイでも橙色に近いものはダメで、ワインや紫に近いものならOK。意外と似合って自分でも驚いたのが青紫。といっても派手な紫ではなくて、藤色っていえばいいのか、ペールな紫がいい。
ここまで進んで「あ、そういえば」と思い出したのが、以前、黄色のワイシャツを買って来てみた時、周囲に「どうしたの?」と言われ、自分でも落ち着かなくて、それ以来着なくなってしまったこととか、カジュアルな服装の時に紫のシャツを着ていって同僚の女性陣にほめられたこと。
言葉で聞かれても思い出せない記憶も、色を見ながらだと簡単に出てくるんですね。
あとはネクタイ、ベルト、靴の話と、写真を撮られる時の注意点(奥歯を意識する、とかね)なんかを教えてもらって、あとは企業広報コンサル現場の興味深いお話を伺って終了。
後日、写真のような「自分に合う色リスト」と、詳細な報告書が送られてきます。これでもう、服の色については迷わないですみそうな気がしますね。似合わないスーツ1着の値段を考えれば安いもんじゃないですか?
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2005年12月05日
二重払いって何のこと?
たとえばAさんが、1000万円の頭金で5000万円のマンションを買ったとする。借金の4000万円は35年ローンを組んで毎月15万円、年2回のボーナスでも各15万円(「フラット35」[flat35.com]35年固定金利2.8%での試算)を返済すると。
そうしたら1年後、そのマンションは耐震強度が偽装されていたことが発覚し、危ないから退去してくれと言われたとする。近所にある同程度の賃貸マンションに引っ越したら家賃は月15万で、Aさんの支出は毎月15万円増えてしまった。デベロッパーは1000万円を返してくれた時点で倒産した。
たとえばBさんが、1000万円の元金と4000万円の借金で、ある会社の株を5000万円分買ったとする。この会社の配当率は3.6%で、年間180万円(月にして15万円)配当金がもらえるとする。Bさんはこの15万円を生活費に充てていた。借金の4000万円は35年ローンを組んで毎月15万円、年2回のボーナスでも各15万円(固定金利2.8%)の返済。株はリスクが大きすぎるというのであれば、税引き後3.6%の利率の5000万円の債券を買ってもいいです。
1年後、実はその会社は帳簿をごまかしていたことが発覚し、とたんに業務が回らなくなって倒産してしまったとする。Bさんの収入は毎月15万円減ってしまった。会社を精算したら、Bさんには1000万円が返ってきた(上場廃止前に株を売ったら1000万円だった、でもいいかな)。
例の姉歯事件のニュースを見ていたら、某アナウンサーが「これでは住民の方々は二重払いになってしまいますから、どうにかしてもらいたいですねえ」などと言っていました。「二重」って何よ? 不動産投資のためのローンの返済額と、家賃とは別物でしょうに。
Aさんの場合もBさんの場合も、構造としては同じ(5倍のレバレッジをかけて5000万円の投資をし、1年目に180万円を得たあと、1000万円が返ってきた)です。Aさんは1円ももらっていないじゃないかと思うかも知れませんが、このマンションに住んでいた間、自分が自分に対し15万円の家賃を払っていたことになります。目には見えませんが、投資物件から180万円の収入を得て、それと同額を家賃の支払いに充てているわけです。
さあ、某アナウンサー氏はBさんに対してどんなコメントをつけるのでしょう? 「ローンが残っていうる上に生活費の分が無くなってしまうんですか。これはどうにかして欲しいですね」って言うのか? せいぜい「投資は自己責任で」程度ではないの?
細かく言えば、株や債券を担保にして35年2.8%のローンなんか組めないだろうとか、逆に、築35年のマンションの価値、35年後の企業の価値の値動きをそのまま比較できないとか(マンションは古く(安く)なる一方だけど、債券は額面通り返ってくるし、企業はより大きくなっている可能性がある)、いろいろあるんですけれど、言いたいことはこういうことです。
- なぜ「マイホーム」だけ特別なのか?
「夢のマイホームの購入」などと言わず、「投資物件に自分で住む」と言った方がいいんじゃないでしょうか。将来に渡って自分に便益を与えてくれるものにお金を払うことを「投資」と言うのであれば、不動産でも株でも、パソコンでも服でもクルマでも「投資」として考えるべきなんじゃないかと。つまり「甲より乙の方が安いから」とか「毎月これぐらいなら払えるから」で買い物をするのではなく、「将来どのくらい自分に価値を与えてくれるのか」で買い物をしろ、ということです。 - なぜ家賃とローン返済額を比較するのか?
「同じ15万円なら、買っちゃった方がいいですよ。ローン払い終われば自分の物になりますし」なんていうセールスの電話やらチラシの文句があるわけですが、ローンの返済額が15万円になっているのは、「今の低金利で」「35年ローンを組んだとしたら」という話ですよね。世の中に15年ローンまでしかなかったとしたら、そんな5000万の物件なんぞ手を出そうとも思わないだろうに。
35年っていうのも30歳でこぼこのサラリーマンにとって絶妙な時間設定で、なんとか払えそうという気になるんですよね。ちなみにさっきの例で15年ローンにすると、毎月&ボーナス時の支払額は約27万円。
借りるより買った方が、自分にとってより快適な住宅になることは認めますが、世の中ただいいことはあんまりなくて、それなりのリスクを負うわけです。自分は快適な住空間のためにそれだけのリスクを負えないと思っているので、35年ローンを組んでまで家を買おうと思わないわけです。そういうポジションにいることはご理解いただいた上で、今回の偽装建築の話を聞いていると、「税金つぎ込むような話か?」と思うわけです。お金の話ではなく、システムの話として問題にするべきだと思うんですよね。
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2005年12月04日
着る投資
先日紹介したドクター・オガワの本を読んでから、いろんな支出に対して「これはコスト(消費)か、投資か?」と考える癖がついているのです。会計上や経済統計上の区分けではなくて、「その出費はあとで何らかの新しい価値をもたらすか?」というのが判断の基準。
で、これまた先日紹介した深野羅紗店のオーダーシャツ。その後も何枚か作ってるんですが、これがいいんですよ。身体にフィットする感覚がそれだけで快適ですし、なんとなく姿勢が良くなったような感じがする。外に出る仕事なので、シワの出るシャツよりはぴったりしたシャツの方が見た目にも印象がいいと思う。単なる防寒とか機能性だけで考えるのではなく、快適に仕事ができる環境作りとして衣服を考えることができるようになったわけです。いまさらですが。
以前は「着るコスト」などといって「消費」カテゴリでとらえていて、それはそれで間違ってはいないと思うんですが、既製ではなくオーダーすることによる価格の増加分(たいして高くないですけど)と、いいシャツを着ることによる仕事の質の向上(計測しづらいですけど)とを感覚で較べてみて、わたしは深野のシャツをいい投資だと思ってます。先日お店の方に聞いたんですが、このページを見て遠くから深野羅紗店を訪れた方がいらしたそうです。きっと満足していただけたのではないかと思いますが、いかがでしょうね?
ともあれ、「かしこいカップルが最後に笑う」の話でも書いた、人生の価値観というか、人生の中で大事なものは何かというものを考えた時に、他人とのコミュニケーションが上位に来る人であれば、着る服が他人にどういう印象を与えるかというのはかなり重要な問題だと思うのです。
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2005年12月03日
みんな妙に疲れてるみたい
前回の続きで耐震強度偽装の話。
「外注に任せていた。すみません」[sanspo.com]とか、「要求拒めば仕事が減る」[tokyo-np.co.jp]とか、どうにもたまらんセリフですけれど、同じようなことはみなさんの身の回りにもあるんじゃないかと。
外注に出していようが何であろうが、自分が契約した相手に対しては自分が責任を取らなきゃイカンだろうに、なんで「すいません」なんだ? ワケがわからない。
政府、強度偽装物件の固定資産税減免を要請[yomiuri.co.jp]
先日の東証のシステムダウンでは某富士通さんが叩かれましたが、ああいうコンピューターのシステム作りも構造的には似たようなもので、大手デベロッパーのNTTデータとか富士通とかが元請けで、そのまわりに下請けプログラマーがいっぱいいるわけですね。「仕様書に不備があることはわかっていたが、それを指摘して作り直していたら予算が足りないのでそのまま製造した」とか、「納期が間に合わないので特殊な場合は除外して結合試験を行った」なんてな話はそこら中にあるんじゃないかと想像します。(かといって、東証が「トラブルでの機会損失分は国が補填してくれ」という話にはなりませんわな)
なんというか、働いている人がみんな疲弊している気がしませんか? もともと好きで始めた仕事じゃないの? 仕事のクオリティを下げないと仕事がなくなるって世の中はおかしくないですか? 特に建築士なんて相当勉強してやっとなれる職業でしょうに、そういう人たちでさえプライドをなくしている。
プライドって大事ですよ。センター試験の話とか禁煙の話にも通じますけど、「補償しろ!」と声高に主張する人たちや、「私の方が被害者だ」という顔をしている人ではなく、こんな状況下でも黙っていい仕事をしている人たちをこそ評価して、そういう人たちが稼げる環境を作っていくべきなんじゃないかと思うわけです。クリック募金でちょっといいこと。(クリック募金とは?)
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2005年12月02日
なんでも国に言えばいいのかと
例の耐震強度偽装問題の話。自分が現場にいないからそう思うのかも知れませんけれど、税金を投入するような話なんだろうか。
耐震偽造 居住者支援へ財政措置 与党、政府に8項目の対策要望 [business-i.jp]
耐震偽装マンションで支援検討・政府、補正予算に計上も [nikkei.co.jp]
いや、いま現在住んでいる人にとって切実な問題であることは、わかる。いま地震が起きて倒壊されるのもたまらん。でも、不良品をつかまされた人が国から直接補償してもらうっていうのは何かおかしくないか。
たとえば私がいまこの文章を書いているパソコンが火を噴く不良品だったとします(実際いろいろとトラブったわけですが)。私はその補償をまず店に相談し、次いでメーカーに要求するでしょう。決して国に金返せとはいいません。
仮にそのとき「現金での返金」を要求したらメーカーが倒産してしまうような状況だったとします。おそらく、私ならそのブランド自体が消えてしまうよりはマシ、ということで、返金ではなく「代替品の提供」で手を打つでしょう。
三菱ふそうがリコール隠し[mitsubishi-fuso.com]しましたね。最終的には対象の車種は三菱ふそう側が回収・修理を行ったはずですが、事件の影響でトラック全体の国内販売が激減しました。
あの当時、三菱ふそうのトラック使っている運送業者は大変な目にあったと思いますが、あの時三菱ふそうが「うちの台所も苦しくて・・・」と言えば国が代わりのトラックを買ってくれたんでしょうか?
今回の耐震強度偽装の話にしても、まずは売った業者(売買契約の相手)、次に作った業者に補償要求をして、それでダメだったらあきらめるんじゃないんでしょうか。何でいきなり「国が補償しろ」になるのかと。個人が買うパソコンや、企業が買うトラックとは規模が違う、一生に一度の買い物だから・・・なんていうのは理由になりませんよ。頭金の何倍ものレバレッジをかけて35年とかのローンを組んだのはその人の判断ですからね。
国が補償ってことは税金を使うってことですよ。その税金はアナタも払ってる税金ですよ。これを認めてしまうこともひとつのモラルハザードなんじゃないでしょうか? 「自己責任」がキャッチフレーズの小泉自民党が言うことじゃないような。
倒壊した場合の人命と周囲の環境への影響を考えた時に、国が乗り出してなにか対策をした方がトータルのコストが安くなるから税金使わせてくれ、と言われれば納得しますけど、転居先の差配とか転居費用とかを国が直接面倒みるってのもなあ。
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