「電気がなかったら、携帯電話を使えばいいじゃない」

えー、森前首相の名言でございますな(asahi.comのGoogleキャッシュ、同じくarchive.orgに残っている記事)。電気が来てないような地域の人でも、ケータイからiモードでつなげたらIT(それ)の恩恵を受けられるじゃないかとAPECの首脳会合で発言したという。

マリー・アントワネットの「パンが食べられないのならケーキを食べればいいじゃない」に匹敵するフレーズです(こっちは本人が言ったという証拠はないそうですが)。歴史の教科書に書き残すべきですよこの言葉は。

なんでこんな話を思い出したかというと、ANANOVAのこのニュース。

Five mile walk to recharge phones(ケータイを充電するのに徒歩5マイル)

ルーマニアのCiosaという片田舎の人が、町で携帯電話を買って行ったんだそうです。でも、80戸からなるCiosa村では、電波は届いているものの電気が通ってなかった。

村人の一人は言う。「ケータイなんてそんなに高くねえし、最近はいろいろ特典とかあるからなあ。親戚とかにゃああんまり電話しねえけど、向こうは好きなときにこっちをつかまえられるだよ」

ふーむ、わりとふつうの発言。そもそも電波が来ている時点でそれほどの田舎とも思えませんけどね。自動車があればシガーライター経由ででも充電できそうですし。たぶん向こうにも携帯充電グッズってありますよね(っていうか、町に「充電屋」みたいなのがあるのかどうかも気になる)。5マイル(8km)も歩かないとコンセントまでたどり着けなくて大変、というより、人力充電するよりも5マイル歩いた方が楽、ということなんじゃないだろうか。週に1回はかならず町に出るとか・・・。

Ciosaという地名で検索してみると、このあたりは中世からの景観が残っている観光地でもあるみたいで(乗馬ツアーの紹介ページ)、まだ車より馬のほうが多いような地域だとか。で、思ったんですけど、この人たち、実際は馬に乗って町まで行くんじゃないでしょうか。だったら5マイルなんてたいしたことないですよね(原文ではrideではなくwalkといってますけど)。

現地の通信事情はわかりませんが、昭和の日本で家族みんながラジオやテレビの前に集まったように、この村ではこのケータイが楽しみの素になっているのかも。たまにお父さんが家にいる時にケータイが鳴ると、子どもたちが「だれ? ○○伯父さんから? ねえ、代わって代わって!」と大騒ぎをして、電話機を奪い合いながら、電池切れを気にしながらしゃべっているような風景を思い浮かべたりして。

「電気がないところでも、携帯電話で情報がやりとりできる」という森前首相の発言は周縁のごく一部の土地では間違っていなかった、というお話でした。

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